ドクターからのメッセージ

The message from doctors

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・DOCTOR BLOG

ワクチン接種後の注意 NEW!

ワクチン接種後の注意

◇急な副反応が起こることがあるので、接種後15分間は院内で様子観察、接種後30分間はすぐに連絡をとれるようにしてください。

◇当日は激しい運動はさけて、注射部位は清潔にしてください。

◇当日は入浴しても差し支えありません。

◇翌日にかけて発熱がみられることがよくあります。

◇注射後2〜3日間は、注射部位が腫れることがあります。

◇生ワクチンは、接種後10日前後〜4週間は副反応が起こる可能性があります。

  発熱、発疹(麻しん風しんワクチン、水痘ワクチン)

  耳下腺腫脹(おたふくかぜワクチン)

  その他、ごく稀に血小板減少性紫斑病、無菌性髄膜炎などが起こることがあります。

◇その他のワクチンを受ける場合は、生ワクチン同士は4週間あける必要があります。

◇その他、何かご心配なことがありましたら、ご相談下さい。


とびひ(伝染性膿痂疹)

頭部打撲・外傷後の注意について

紙芝居「かぜってなあに?」

吉備医師会×岡山県立大デザイン学部学生 ×総社市のプロジェクト

紙芝居「かぜってなあに?」Ver.1〜4

  • かぜってなあに
  • かぜってなあに
  • かぜってなあに
  • かぜってなあに

子どものかぜについて、紙芝居でわかりやすく伝えています。
これを見るだけで、子どもの急な発熱にも慌てずに対応できます。

新型コロナ感染症について(3)

新型コロナウイルス感染症が広がりつつあり、日常生活に大きな影響が出ています。

新型ウイルスですので、免疫を持っている人はおらず、簡単な検査もなく、直接の治療法はありませんので、皆さんが不安に思うのも確かです。しかし、これまでの報告では、持病のある人や高齢者(子どもへの感染はまれ)では注意が必要なものの、多くは風邪のような症状で経過するとのことですから、過剰・過激な反応も考えものです

では、どうするか? どうやって子どもや家族を守るか

新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症について


新型コロナウイルス感染症について


幼児の眼科健診(弱視スクリーニング)お勧めです。

幼児の眼科健診(弱視スクリーニング)について

 ★ スポット・ビジョン・スクリーナー(ウェルチ・アレン社:写真)を用いた幼児の眼科健診をはじめました。

  検査費用:1,000円(自費)

 

★ スポット・ビジョン・スクリーナーは、近視、遠視、乱視等の屈折異常や、屈折の左右差、瞳孔不同、斜視等を簡易にスクリーニングできる新しい機械です。検査は比較的簡単に短時間で可能ですので、小さなお子さんでも検査可能です。

 

★ 一般に3歳児健診での弱視検査は質問紙で行われていますが、これだけでは見逃しもあると言われています。家族が子どもの視力の異常に気付くことは難しく、就学時や小学校入学後に弱視が分かっても、視機能の発達に余力がなく、良い結果が望めません。そこで、このスポット・ビジョン・スクリーナーを用いて、就学前までに、できれば3歳頃に弱視を発見したいと思っています。

湿疹でもらった塗り薬、ステロイド軟膏

(心配・質問)

~湿疹でもらった塗り薬・8ヶ月息子~

 

はじめての子育てに奮闘中の新米かあさんです。

8ヶ月になる男の子のことで相談させてください。

5月に入って暑くなってくると同時に、顔や体にかゆそうなブツブツができました。

「よくあることだよっ」て話には聞いていたけど、ほっといていいものか、どうなのか?もわからず、

小さな体に広がる様子がかわいそうで・・

そこで、近所の小児科で診てもらいました。

待ち時間は、おむつが気持ち悪いのかぐずり、

おなかがすいたのかぐずり、

私も落ち着かない気持ちのまま診察室にはいりました。

小児科受診も慣れていないし、子どもがそんな状態だったので、落ち着いて話しが聞けませんでした。結局、弱いステロイドが入った塗り薬を処方してもらって帰宅しましたが

「どのタイミングでどれくらい塗って大丈夫か」をちゃんと聞けてないことが後々気になりました。

効果的にお薬を塗って早く治してあげたいのですが、ステロイドというと何となく「使わない方がいい」というイメージがあって使用に慎重になります。

どれくらいで治まるかわからないけど、使い続けて副作用の心配はないですか?

 

(回答)

乳児は皮膚も弱く、汚れや乾燥、刺激で容易に湿疹(ブツブツ)が出ます。

もちろん、湿疹が長引く場合には、アレルギーが原因となるアトピー性皮膚炎の場合もあります。

湿疹が赤みを帯びていたり、汁がでているような場合は、炎症がありますので、ステロイド軟膏を使用する方が治るのはスムーズだと思います。

もちろん、ステロイド軟膏にしても、それ以外のお薬でも、薬ですから副作用の心配が全くないわけではありませんが、適切に使用すれば安全に効果的に使用できます。

 

  • まず石けんの泡を用いた手洗いのスキンケアが大切で、しっかり汚れをおとして、しっかりすすぎます。汚れや汗があると、ステロイド軟膏も効果がありません。
  • ステロイド軟膏は、1日に2回塗るのが標準的で、スキンケア後(入浴後)5分〜10分くらいで塗るのが効果的です。
  • チューブから指の第一関節まで(1FTP)の軟膏を絞り出し、手のひら2枚分の面積にのせるように塗布します。

 

ステロイド軟膏を中止したら、また、すぐに悪くなる場合などには、ステロイド軟膏を1日に1回に減らして、保湿剤を1日1回塗布するなどして、ステロイド軟膏を徐々に中止したり、保湿剤のみを継続する方法も効果的です。

湿疹が長期間改善しない場合は、改めて医師に相談すると良いと思います。

 

チャドクガ・チャドクガ皮膚炎

チャドクガ発生

5月下旬、クリニック駐車場の脇にある椿に毛虫がいる〜!

ぎょえー、気持ち悪い。と思いながらも、枝をハサミで切って、幼虫を駆除しました。

ほとんど駆除できていると思うのですが、、、どうでしょうか?

これはチャドクガといって、毒蛾(ドクガ)の1つの幼虫です。

成虫は25-30mmで、年2回発生、6-7月(第1回目)、9-10月(第2回目)に出てきます。幼虫は第1回目幼虫が4月頃に孵化し、葉を食害します。幼虫の食草は、チャ、サザンカ、ツバキなどです。第2回目の幼虫は8-9月に出ます。

成虫、幼虫ともに毒針毛をもち、直接刺されることもがありますし、風邪に乗った毒針や、洗濯物についた毒針で毛虫皮膚炎を起こします。

こどもの熱性けいれん

(質問・心配)

~初めての熱性けいれん・1才6ヶ月~

38度前後の発熱が始まって2日目の夜です。

夕飯の時、相変わらず熱はありましたが、元気だったので、膝に座らせて水分をとり、食卓を一緒に囲んでいたところ、突然けいれんが始まりました。

そのとき、唇は真っ青で、歯をぐーっと噛み締めて、両手は子どもの力と思えないほど強い力でぎゅうーっとにぎりしめて、名前を呼んでも全く反応がありません。

初めてのことにびっくり、というか、このまま死んでしまうんじゃないかと思って、親の私もパニックに近い状態でした。

できる手当なども思いつかず、すぐに救急車を呼んで夜間救急に搬送してもらいました。病院に到着する頃にはけいれんは治まっていましたが、どれくらいの時間続いたか確認する余裕はありませんでした。

先生からは、「熱性けいれん」と診断で、少し休んで自宅へ戻りました。

今後けいれんが起きたときの対応はどのようにしたらよいでしょうか?

また、熱性けいれんは繰り返すこともあると聞きましたが、脳や他への影響が起こる心配はないんでしょうか?

 

(回答)

 熱性けいれんは、6カ月から6歳くらいまでの小児約10人に1人が経験するもので、熱以外にけいれんする原因がないものを言います。そのうち、一生に1回だけの児が約半数で、残りの半数は6歳頃までに2回以上けいれんします。

熱性けいれんを目の前で見ると、本当に「死んじゃうんじゃないか?」と思って慌てますが、実際は、けいれんが20分以上つづく場合を除いて、命に関わることは少ないとされています。しかし、けいれん中に嘔吐があり、吐物をのどに詰まらせたりすると呼吸が出来なくなって、危険な状態になります。つまり窒息です。ですから、けいれんを見た場合は、吐物がのどに詰まらないように横を向けて、心を落ち着かせて、何時何分から、どんなけいれんをしているかを良く観察しておくとよいと思います。多くの熱性けいれんは、3分程度で自然に止まるので、けいれんが止まったら、それからゆっくり病院を受診していただくのがよいと思います。もしも、けいれんが3分以上、停止しない場合は、救急車を要請するなどして、救急診療可能な施設へ搬送する必要があります。熱性けいれんを2回以上起こす児については、6歳頃まで、発熱時に、けいれんを予防する坐薬(ダイアップ)を使用する方法がありますので、かかりつけ医と相談してみると良いと思います。

 

(その後)

熱がきっかけで引き起こされる症状に、親としてこんなに不安になるものもあるんですね。ただ、20分というとかなり長い時間に思えますが、命に関わる事は少ないと聞いて驚きと同時に、安心しました。

どんなけいれんか?を見るときのポイントはありますか?

 

(回答2)

どんなけいれんか?を見るポイントとしては、以下のような点に注目すると良いと思います。

  • 顔色はどうか?
  • 目の向きはどうか?
  • 呼びかけに反応するか?意識はあるか?
  • 両手両足か(両側性)、右手右足だけか(片側性)?
  • 力が入っているか(強直性)?、ガクガクしているか(間代性)?、力が抜けている(脱力性)

最近はスマホで動画が撮れるので、二人以上いて余裕があれば、動画で撮影しても良いと思います。

こどもの解熱剤

(質問・心配)

~解熱剤をもらったのですが・2才娘~ 

38度を超える熱が出たので、小児科を受診した際に解熱剤をもらいました。

「38.5度を超えてしんどそうだったら使ってね」と話はあったのですが・・

「熱が出るのは体の中に入ったウイルス?細菌?をやっつけるためだから無理に下げない方がいい」と聞いた事があるな~と思い出して、使った方がいいのか、使わない方がいいのか判断に迷います。

こういうときには使った方がいいよ、とか、目安はありますか?

 

(回答)

子どもの発熱の多くは、病原体(ウイルスや細菌)の感染によっておこります。体温が高くなると病原体の活動が抑えられるので、子どもにとって発熱は一種の防御反応といえます。そして、解熱剤は、その防御反応を抑えて、熱を一時的に下げるお薬と考えて下さい。ですから、熱が出たからといって解熱剤ばかり使っていると、病気は治りにくくなりますから、基本的には使わない方が良いと考えています。

熱がでたら、手足が冷たく、寒気を訴えていなければ、薄着にして、クーリングと言って大きな動脈の近く(首、脇、そけい部)をアイスノンなどで冷やしたり、濡れタオルで体を拭いてあげると良いと思います。熱を下げる効果は少ないですが、おでこに“冷えピタ”などを貼ると気持ちはよいと思います。

しかし、熱は通常、午後から夜にかけて高くなり、高熱は子どもにとって辛いものです。特に夜中にうなされて眠れないと体力も消耗してしまいますから、夜間の高熱で眠ることができなければ、解熱剤を使って一時的に熱を下げて眠れるようにしてあげると楽に過ごせます。こんな時は、きっと看病する親御さんも仮眠が取れて疲れも和らぐと思います。

ですから、38.5℃以上の発熱であっても、できるだけ日中はクーリングで様子をみて、夜中にどうしてもという場合に解熱剤を使用するといった具合にすると良いのではないでしょうか?

 

(その後)

先生の(看病する親御さんも仮眠が取れて疲れも和らぐと思います)の言葉に

肩の力を抜く事ができました。

仕事があったり、他に看てくれる人がいない時、親の方がぐったりしてしまうことがあるんですよね。病気が治りにくい体にならないように、教えていただいたクーリングで乗り切ってみます。

今後、解熱剤は最後の切り札としてつき合っていこうかな、と思います^^

こどもの胸痛

(質問・心配)

~心臓がいたい!と目を覚ます。小1のこども~

まだまだ朝夕冷え込む3月の明け方のことです。

小学1年生の娘が、(おなかがすいて気持ち悪い~)と突然起きだしてきました。

この時はまずトイレにいった後に、ご飯を二口食べ、おなかをさすってあげるとすぐに眠りにつきました。

それから1時間も経たない午前5時頃、今度は(いたい、いたい~!)と泣きながら目を覚まして、私もびっくり。

どこが痛いか聞くと、左の胸を押さえて

(ここがどきってして急に痛くなる;;)

(こわい~)と娘。

心臓?手を当てるとたしかにドキドキと鼓動が激しいような・・

この時もさすってあげるうちに2~3分もしたら眠りにつきました。

が、また20分ほどして(いたい~!)

さすってあげると眠る。

そしていつもより遅めの7時過ぎになり起きてきたので、どう?と聞くと

(またいたくなるかも・・)

というものの、痛みは無くなっていたようです。

痛いという場所が心臓だし、このまま様子をみていいものでしょうか?

それとも早めに受診したほうがいいでしょうか?

 

 

(回答)

子どもが「胸が痛い(=胸痛)」というと、ずいぶん心配されたことと思いますが、実際に緊急性の高い子どもの胸痛は極めて稀なことです。

大人が「胸が痛い」と言うと、狭心症、心筋梗塞、大動脈解離など、命に関わる重大疾患の可能性があるから、みなさんは子どもが「胸が痛い」というとすごく心配になるのだと思います。

しかし、子どもは、大人と違って、原因のはっきりしない特発性胸痛や心理的ストレスや心理的葛藤による心因性胸痛がほとんどで、心臓や肺に問題があるのは5-10%と言われています。心臓や肺のごく稀な病気が潜んでいる場合は、適切な対応が求められますが、特発性胸痛や心因性胸痛に対して過剰な検査を行うのはいかがなものかと思います。

こどもが「胸が痛い」と訴えた時には、基本的に経過観察で構いません。しかし、胸痛の程度が強い場合、長く持続する場合や、「発熱がある」「嘔吐がある」「お腹が痛い」など、胸痛以外の症状を伴う場合には重大な病気も考慮して小児科を受診して下さい。

 

(その後)

なるほど、大人と子どもの違いがあるんですね。

その後、本人は何もなかったように胸の痛みを訴える事もなくなりました。

顔色もよく、食欲もあります。

最近学校生活や日常の中で普段以上に(がんばる!)という場面が続いたり

私が忙しい日が続いたので(ストレス??)とかいろいろ考えました。

体は大丈夫のようなので、これをきっかけに心穏やかに過ごす事を心がけたいと思います^^

ありがとうございました。

便秘を食事で改善しましょう!

便秘を食事で改善しましょう。

肉食を減らし、食物繊維を増やし、発酵食品でよい腸内環境を作りましょう。

そして、腸内に負担がかかる食べものを減らしましょう。

「ああ、なつか」

あ:脂っこいもの

あ:甘いもの

な:生もの

つ:冷たいもの

か:辛いもの

「ああ 夏か」と覚えましょう。

平成26年9月 おおばこ健考だより

赤ちゃんの首のじくじく

Q)こんにちは、ご無沙汰しています。
二人めが産まれてのんびり過ごしている今日この頃ですがひとつご相談があって連絡させていただきました。
実は数日前に首の食い込みのところがうまく洗えていなかったせいか、一部ただれて皮が剥けて浸出液が出ています。
お風呂の時に泡で洗ってやりますが、日中肉に埋もれてほとんど空気にさらされないので乾かずじくじくして変な臭いもしてます。
家庭で出来る対応でよいか、もしくはさっさと病院につれていった方が良いでしょうか?
つれていくとするなら皮膚科か、小児科かか迷っています。ご教授頂けると幸いです。(*^o^*)
ぶしつけな質問ばかりですみません<m(__)m>。
ご返信頂けると幸いです。

A)こんにちわ。
今日は外来がのんびりなので、レスしています。
これは乳児湿疹として、よく見られるものです。
浸出液が出るくらいなら、薄いステロイド薬(ロコイドなど)などを少し塗布してあげると改善しやすいです。
もちろんスキンケア(1日2回くらいは石けんで洗う)が基本です。
病院は、子どもに関しては、まず何かあれば小児科(かかりつけ)
を受診して、専門的対応が必要な場合は、それぞれの科に紹介(皮膚科、耳鼻科、眼科など)の方が良いと思います。
持論です。

熱中症

梅雨が明けて夏本番、夏休み、いかがお過ごしでしょうか?

暑い夏に多くなる熱中症について書いてみます。

熱中症について

高温多湿の環境下で生体に発生する障害を「熱中症」と定義しています。

重症度によってⅠ度~Ⅲ度に分類されています。

Ⅰ度(軽症):失神、こむら返り、四肢・腹筋のけいれん、皮膚蒼白

Ⅱ度(中等症):強い疲労感、めまい、虚脱感、頭痛、嘔気、嘔吐、下痢、体温上昇、多量発汗、頻脈

Ⅲ度(重症):深部体温39℃(腋窩38℃)以上の高熱と、1.脳機能障害(意識喪失、せん妄、異常言動)、2.肝腎機能障害、3.血液凝固障害 のうちいずれか

 

【治療について】

熱中症を疑う症状が現れた時には、

①運動や労働を中止すること。

②水分・塩分を摂ること。

③体を冷やすこと。

④救急対応をすること。 が大切です。

 

【予防について】

暑さへの順応(最低1週間はかかる)

水分・塩分の摂取

体を冷やす

休憩・休養をとる

緊急事態の準備・手配 


(院長からのもう一言)

地球温暖化や都市部のヒートアイランド現象によって熱中症は増加傾向にあり、注意が必要だと思います。しかし、それにしても、マスコミは「夏が、暑さが悪い」と言わんばかりに、少し騒ぎすぎだと思いませんか?

熱中症について煽り立てるのではなく、「暑い夏を、熱中症にならずに、こんな風に楽しみましょうね」とやってくれることを願います。

さらに言うと、

熱中症の増加は、暑い日にどのように生活・活動するのか?という問題を提起していると思いますし、日頃からエアコンで快適さに慣れ親しんでしまって、暑さへの馴化(慣れ)を失っている我々自身の生活にこそ問題があると思うのです。

日本の夏が亜熱帯化してきているですから、東南アジア諸国の夏の生活スタイルを真似してみると良いのかもしれません。

 

かかりつけ医

「かかりつけ医」をもっていますか?子どもの具合が悪いときや、予防接種を受けるときには時には病院やクリニックに行いきます。そこでは、医師が、経過を聞いて、診て、考えて、対処法を教えて、必要があれば薬を出してくれます。このとき医師は、客観的な専門家として、真剣に対応するはずです。でも、すべて分かるわけではないので、受診後の経過がとても気になります。

 良くなっていたらうれしいし、そうでなかったら悲しくつらい気持ちになります。そして、良くなってないときにこそ、「どうしてだろう?」と、より真剣になります。そんなときほど医師としての責任を感じながら懸命に診療します。   

 受診後の経過が良くないときは、もう一度同じ医師とたくさん会話をしてください。分からないことがあれば質問を、心配なときにはその気持ちを伝えてください。こうしたやりとりを何度も重ねていくことで、医師と患者やその家族の間に信頼関係が出来きると思います。いつしかその医師は、日常的な診療や健康管理をしてくれる「かかりつけ医」になっていると思います。


風疹の流行について

全国で風疹と診断された患者は、この4か月の合計で5000人を超えています。去年の同じ時期の34倍に当たり、特に4月以降は週に500人を超えるペースで患者が増えており、感染の拡大に歯止めがかかっていません。岡山県でも風疹患者の報告が見られるようになってきました

  抗体を持たない又は低い抗体価の妊娠中の女性が風しんにかかると、赤ちゃんに難聴や心疾患、白内障や緑内障などの障害(先天性風しん症候群)が起こる可能性があります。 昨年の流行の影響で、平成24年10月から平成25年3月末までに、8人の先天性風しん症候群の患者が報告されました。

  • 妊娠中の女性は予防接種が受けられないため、抗体を持たない又は低い抗体価の妊婦の方は、可能な限り人混みを避け、不要不急の外出を控えるようにしてください。
  • 妊婦の周りにいる方(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族等)は、風しんを発症しないように予防に努めて下さい。
  • 可能な限り、風しんの予防接種を受けましょう。

風しんの定期予防接種対象者:1歳児及び、小学校入学前1年間の幼児は、多くの市区町村において、無料で受けられます。

また、妊婦を守る観点から、
特に、

(1) 妊婦の夫、子ども及びその他の同居家族

(2) 10代後半から40代の女性(特に、妊娠希望者又は妊娠する可能性の高い方)

(3) 産褥早期の女性
のうち、抗体価が十分であると確認できた方以外の方

は任意での予防接種を受けることをご検討ください。

 

接種ワクチンについて

風しんの抗体価が低い人は、麻しんの抗体価も比較的低い傾向が見られることから、風しんの予防接種を受けられる場合は、麻しん対策の観点も考慮し、麻しん風しん混合ワクチンを接種されることをお勧めしています。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)

○  おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)とは

ムンプスウイルスの感染後、2〜3週間(平均18日間)の潜伏期を経て、耳の下(耳下腺)が腫れて痛がります。たいてい左右とも腫れますが、片側だけのこともあります。腫れのピークは発症1〜3日後であり、この間はたいてい発熱も伴います。合併症として、無菌性髄膜炎(3〜10%)、脳炎(1/1,000)、難聴(1/400〜1/20,000)、精巣炎、膵炎などは、特に注意すべきです。

○  治療

治療は基本的に不要で、熱や痛みをおさえる薬を処方します。痛いときは冷湿布もよいでしょう。

○  家庭で気をつけること

食べ物:唾液腺の分泌を刺激する酸味の強い食べ物は耳下腺痛を増強するのでさけましょう。

入浴:高い熱のある時や痛みが強いとき以外は構いません。

○  こんな時はもう一度診察を

頭痛が強く、何度も吐くとき。

1週間経っても腫れがひかないとき。

熱が5日以上続くとき。

耳の下の腫れが赤くなったとき。

睾丸を痛がるとき。

○ 保育所・学校

腫れがひくまでは他の子にうつります。耳下腺の腫れが出て5日を経過し、かつ全身状態が良好になれば、登園・登校してかまいません。

○  その他

流行があれば診断は容易ですが、流行がない場合は、他のウイルス感染による反復性耳下腺炎との鑑別が困難なことがあります。この様な場合は、採血をして、ムンプスウイルス抗体価で診断することができますので、ご相談ください。

予防するには、ワクチン任意接種であるムンプスワクチンが唯一の方法です。

病気の子どもの過ごし方の注意点

病気になった時は、

(1)安静

(2)栄養

(3)保温

の3つの基本的なことに気をつけましょう。

これは、体力を温存して感染に対する余力(免疫力・抵抗力)を残しておくことにつながります。

 

そして、感染症の予防は、「手洗い」です。

一般的に病原体は、手から口や鼻に運ばれることが多いので、手洗いは感染予防には最も大事で、最も効果的な方法です。

感染症の基本的な予防策は「免疫力を温存して、感染経路を断つ」です。

子ども達の様子の見方の注意点

子ども達が熱を出したり、咳をしたり、何か変だと思われた時には、次の4点に注意してみて上げて下さい。

 

(1)遊ぶかどうか?

(2)食べるかどうか?

(3)飲めるかどうか?

(4)眠れるかどうか?(寝付けるかどうか?)

 

悪くなる時には、この順番で悪くなっていきます。

逆に良くなる時は、この逆の順番で良くなっていきます。

 

“遊ぶ” “食べる”ことができている子どもは、まだ大丈夫です。

熱があっても、咳をしていても、“遊ぶ”“食べる”ができている子どもは大丈夫です。

“遊ぶ” “食べる”ことが出来ない子どもでも、“飲める”“眠れる”ができれば家で様子をみることもできます。

 

“飲める”“眠れる”ができない子どもは小児科医に診てもらってください。

 

 

山陽新聞 岡山医療ガイド

こどもの森の小児科医(1)倉敷中央病院 小児科部長 新垣義夫先生の記事から抜粋・改変

熱がでた(発熱)

小児科の外来を受診する子どもの訴えで一番多いのが「発熱」です。

発熱は体の負担となりますが、防御反応のひとつです。

人間はウイルスや細菌などの病原体に感染すると熱を出して、体内に入り込んだ病原体の活動を抑えようとします。

平熱よりも1度以上高く、環境を整え、時間をおいても下がらないなら発熱といえます。

他にも、いつもと違う様子が無いか確認しましょう。

赤ちゃんは体温調節が未熟なため、室温や衣類の着せ方によって体温が上がることもあります。

 

<診療時間外でも電話相談や救急外来を受診が望ましい場合>

○  赤ちゃんが生後早期(0〜3ヵ月)

○  機嫌が悪い、または、発熱以外にいつもと様子が違う。

 

*  39度近くあっても子どもの様子が元気なら心配いりません。

*  熱があるのに手足が冷たい場合は、これから熱が上がることが予想されるので、毛布などで暖めてあげましょう。

*  熱が上がりきると赤い顔をして暑そうにするので、薄着にして、冷やしてあげると気持ちが良いでしょう。

真夏のRSウイルス

みなさん、RSウイルスをご存じでしょうか?

正確には、Respiratory syncytial virusと言って、冬期に流行する風邪ウイルスの1つです。2歳までにほぼ100%の子どもが感染するありふれたウイルスですが、乳幼児が罹患すると咳嗽、喘鳴が強くなり、細気管支炎や気管支炎、肺炎に伸展して、呼吸困難を呈する事のある厄介なウイルスです。

そんなRSウイルスですが、東南アジアや南アジアでは、年中みられるとの事です。しかし、なんと、日本でも夏真っ盛りの今じぶんにも発症する例があります。地球温暖化で,日本も亜熱帯化しているからでしょうか?

乳児の咳嗽、喘鳴、発熱の遷延する例は、真夏でもRSウイルス感染を疑うようにしないといけないようです。

夏かぜ

最近、「夏かぜ」の患者さんを多く見かけるようになりました。 一般には「夏かぜ」というと、夏にかかる風邪はみんな夏かぜと思われていると思います。 小児科医の私としては、「夏かぜ」とは?と聞かれると以下の様に答えています。

  1. 多くはエンテロウイルスの感染によって起こります。その中でも、特に手足口病やヘルパンギーナなどが有名ですが、そのような特徴的な症状をとらないエンテロウイルス感染症も多くあります。
  2. 冬に流行するかぜウイルスとは違って、咳や鼻は目立たず、熱が主体で、頭痛や発疹、胃腸症状を伴う事がよくあります。
  3. ウイルス感染症ですので、抗生剤は効果なく、特効薬もありませんので、自分の免疫力で良くなるのを待つ他ありません。せいぜい、解熱剤や鎮痛剤などの対症療法をする程度です。
  4. 大抵は、数日で症状が軽快していきますが、稀にウイルス性髄膜炎や心筋炎を合併することがありますので、数日で経過が思わしくないような場合には受診をしてください。

だいたい、こんな風に外来でもお話ししています。
私的には、この「夏かぜ」、嫌いではありません。 何故か?必要の無い薬を処方する必要が少ないからです。
稀な合併症には本当に注意が必要ですが、本来備わった免疫力を信じてゆっくり休む事が、最大の治療なのです。

ちょっと、暑い夏に、「ちょっと一休み」、くらいに考えて、子どもは親に甘えて下さい。
親は、子どもを信じて、治るのをじっと待って下さい。
そんな風に考えています(*^_^*)。

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