○ おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)とは
ムンプスウイルスの感染後、2〜3週間(平均18日間)の潜伏期を経て、耳の下(耳下腺)が腫れて痛がります。たいてい左右とも腫れますが、片側だけのこともあります。腫れのピークは発症1〜3日後であり、この間はたいてい発熱も伴います。合併症として、無菌性髄膜炎(3〜10%)、脳炎(1/1,000)、難聴(1/400〜1/20,000)、精巣炎、膵炎などは、特に注意すべきです。
○ 治療
治療は基本的に不要で、熱や痛みをおさえる薬を処方します。痛いときは冷湿布もよいでしょう。
○ 家庭で気をつけること
食べ物:唾液腺の分泌を刺激する酸味の強い食べ物は耳下腺痛を増強するのでさけましょう。
入浴:高い熱のある時や痛みが強いとき以外は構いません。
○ こんな時はもう一度診察を
頭痛が強く、何度も吐くとき。
1週間経っても腫れがひかないとき。
熱が5日以上続くとき。
耳の下の腫れが赤くなったとき。
睾丸を痛がるとき。
○ 保育所・学校
腫れがひくまでは他の子にうつります。耳下腺の腫れが出て5日を経過し、かつ全身状態が良好になれば、登園・登校してかまいません。
○ その他
流行があれば診断は容易ですが、流行がない場合は、他のウイルス感染による反復性耳下腺炎との鑑別が困難なことがあります。この様な場合は、採血をして、ムンプスウイルス抗体価で診断することができますので、ご相談ください。
予防するには、ワクチン任意接種であるムンプスワクチンが唯一の方法です。