最近、「夏かぜ」の患者さんを多く見かけるようになりました。 一般には「夏かぜ」というと、夏にかかる風邪はみんな夏かぜと思われていると思います。 小児科医の私としては、「夏かぜ」とは?と聞かれると以下の様に答えています。
- 多くはエンテロウイルスの感染によって起こります。その中でも、特に手足口病やヘルパンギーナなどが有名ですが、そのような特徴的な症状をとらないエンテロウイルス感染症も多くあります。
- 冬に流行するかぜウイルスとは違って、咳や鼻は目立たず、熱が主体で、頭痛や発疹、胃腸症状を伴う事がよくあります。
- ウイルス感染症ですので、抗生剤は効果なく、特効薬もありませんので、自分の免疫力で良くなるのを待つ他ありません。せいぜい、解熱剤や鎮痛剤などの対症療法をする程度です。
- 大抵は、数日で症状が軽快していきますが、稀にウイルス性髄膜炎や心筋炎を合併することがありますので、数日で経過が思わしくないような場合には受診をしてください。
だいたい、こんな風に外来でもお話ししています。
私的には、この「夏かぜ」、嫌いではありません。 何故か?必要の無い薬を処方する必要が少ないからです。
稀な合併症には本当に注意が必要ですが、本来備わった免疫力を信じてゆっくり休む事が、最大の治療なのです。
ちょっと、暑い夏に、「ちょっと一休み」、くらいに考えて、子どもは親に甘えて下さい。
親は、子どもを信じて、治るのをじっと待って下さい。
そんな風に考えています(*^_^*)。